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ウェディングレポート「新郎様が卒業した小学校での結婚式」
2017/08/16
2016.秋
cita-cita × pinox
「ゆいきらら」というそのペパーミントグリーンの木造の建物は、今は地域のイベントなどが行われているコミュニティスペースですが、元々は新郎光博さんが通った小学校。
光博さんが生まれ、育ってきて、そしてこれからもふたりが生きていくその土地で、大切なひとたちに「ありがとう」を伝えたくて、この場所での結婚式を選ばれました。
とはいえ、全く設備も整ってない場所での結婚式に、おふたりもとまどったり、悩んだりしながらの準備期間。
幾つもの打合せと想いを重ねて、両家のご家族のチカラもたくさん詰めこんで迎えたその日は、優しさと愛情と「おめでとう」と「ありがとう」に満ちたものでした。
結婚式当日の朝、ご自宅で着付けをしたおふたりとご家族は、まず新婦のお父様のお墓にご挨拶をしてから、挙式をする宇佐神宮へと向かいました。
宇佐神宮も、何度もふたりで訪れたという思い出の場所。
ご親族だけで挙式を行い、みんなで披露宴会場となる「ゆいきらら」へ!
入口の「ゆいきらら」の大きな木の看板は、新郎のお父様が作られたもの。
もちろん親族集合写真はそこで撮影です!
廊下に飾られた、これまでの卒業生たちの写真にみんな新郎光博さんの姿を探します。
披露宴会場は講堂。(天井や窓枠の色合い、木の雰囲気がレトロ感たっぷりで可愛かった!)
この場所でするからにはとことんこだわった「土地のもの」と「手作り感」
高砂のバックには、光博さん作のパネル、そこを飾るのは前日の夜に
ご家族で摘んできたグリーンやカラフルな木の実。
「ネイチャーだね」って笑いながらみんなで飾りました。
新婦光さんやお母様が長い時間をかけて作った会場いっぱいのフラッグガーランドや、一緒に集めたたくさんの小瓶にみんなで差していったカラフルな小花たち。
前日入りした私達スタッフチームも、学園祭前日のような気持ちで大騒ぎしながら準備しました。笑
乾杯は、光博さんのお母様がつけた愛情たっぷりの梅酒で!
お色直しの中座で、お母様と手を繋いであるく光博さんを見て、きっとたくさんの人が、小学生だった頃、同じようにこの場所でお母様に手をひかれていた姿を思ったのではないでしょうか。
お料理は元・給食室でフルコースを仕上げます。
できるだけ「土地のもの」にこだわりたいおふたりのご希望にお応えして、上毛町のカボスで作った天然音酵母のパンや、ブルーベリーのソースをデザートに添えました。
ウェディングケーキはイチジクたっぷりのタルトに!
シェフのシュクレフィレに会場も大盛り上がりで、いちだんと賑やかなケーキ入刀になりました。
新郎様のおうちで作ったお米で、こっそり、お色直し中に大きなおにぎりをにぎった新婦様。
愛情たっぷりのサプライズバイトと一緒に渡したのは新郎様が好きだという「クチナシ」の苗でした。
「わたしは幸せです」というクチナシの花言葉を、光さんは自分の気持ちそのままです、と添えて送られました。
そんな披露宴のクライマックスで印象的だったのが、ふたりのこれまでを振り返る生い立ちムービーのとき。
実はこのムービーも、ふたりのことや想いが伝わるためにはどうすればいいのか、構成も言葉も迷って迷って、前日の夜中に完成したものでした。
新婦 光さんのお父様が亡くなる直前に、光博さんとの結婚を報告できて、認めてもらえたこと、お父様が光博さんに出会わせてくれたように思えること、
今日この日、この場所で、みんなに囲まれて結婚式ができることがどれほど幸せなのかということ。
この時初めて完成したムービーを見た新郎 光博さんは号泣。
隣で光さんも笑いながら、ふたりはしっかりと手を繋いで、幸せそうに、泣いていました。
この結婚式で、新婦光さんが一番に願ったこと。
それは、光博さんに会えてどれだけ救われたか、家族や友人、大切なひと達にどれだけ支えられてきたのか、その想いを、心いっぱいの「ありがとう」を伝えることでした。
ひとつひとつ心を込めたたくさんの手作りのものや、この土地のギフトや、言葉で、きっとしっかりみんなに届いていたと思います。
新郎光博さんが卒業した場所での結婚式を、一番に望んだのは光さんでした。
この日この場所にいた誰もが、ふたりのまっすぐな愛情と思いやりを感じて
みんながたくさん笑って、泣いて、過去もいまも未来もひっくるめて、愛に溢れた日。
2016.秋
西友枝体験交流センターゆいきらら(元西友枝小学校)
ゲスト 80名
Photo / Hiroto Sakaguchi / EGG STUDIO